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【伊豆高原特集】  伊豆高原フォーライフ

伊豆高原フォーライフ

フォーライフ...この言葉の本来の意味をご存じだろうか。辞書をひもとくと「生涯にわたって」「生きている限り」などの訳が載っている。  
実は今回、中谷様のプロフィールを拝見した際、頭をよぎった言葉がフォーライフだった。  

中谷様のこの10数年は、実にドラマチックである。58歳のある朝、出勤途中、狭心症で倒れる。心臓冠動脈三本のうち二本が80パーセント以上も狭窄していたという。そして、メッシュ状のパイプ(ステント)を血管に入れ、再狭窄を防ぐ手術を受けた。  
これは当時の技術として最先端の方法だったが、ステントの耐用年数は10年、しかも交換はできない、というショッキングな話を聞く。  
そのとき、中谷様の頭に生と死に関わる様々な思いが去来したに違いない。しかし、中谷様は10年という余命を、神様からの贈り物ではないか、とお考えになったという。
  「後10年という満期のある人生なんです。 やりたくてもできなかったことを全てやろう。 そう決心しました。」

中谷様には長年温めていた三つの夢があった。
本を書き全国出版すること。教壇に立つこと。そして、ステージで歌うこと。  
その日から、この三つ夢を実現すべく、真摯でポジティブな努力が始まった。

  まず、金融関係のお仕事をなさっていた経験とノウハウ、さらにご両親と同居なさっていた実体験を活かして「リバース・モゲージ」と題する本を出版。このために、60歳を超える身で大学院にまで通い専門知識を深めていった。
この著書の内容は、自宅を担保にお金を借り、年金の形で老後の生活資金に当て、本人が死亡した時、自宅を売却して借金を返済するというもの。  
出版後は、高齢者問題研究家として、一層の研究、また講演活動などで活躍なさっている。

  「私はNPO法人NALC(時間預託システムのボランティア団体)の会員なのですが、そこにある高校から授業を担当してほしいという要請があり、<高齢社会の生き方>をテーマにして教壇に立つことができました。」  
一つの成就が次の実現につながる。まるで、夢に前向きな姿勢が、時の流れをスムーズにしていくようである。

さて、今回、中谷様は奥様とご子息夫妻、それに二人のお孫さんとポイントバケーション伊豆高原に来られていた。

  「息子家族は横浜住まい。関西と関東に離れて暮らしていると、当然ながらなかなか会えません。ですから、中間地点の伊豆で親子・孫の三代が集まる。そして、一緒に食べて、遊んで、話をして...気がつくと、一緒に住んでいるかのように心が通ってきています。ポイントバケーションは、ホテルと違って、自分たちの部屋という実感が持てるから、構えることもなく自然でいられる。コミュニケーションの場として、これほどふさわしい施設はありません。」  
お体のことがあるので、ご夫婦お二人でのお越しは、やはり不安がおありとか。必然的にご子息のクルマでいらっしゃることになる。
  「もちろん、ゆっくりと寛ぎたいという気持ちもあります。景色がよく空気が美味しくて、ゆったりとした部屋もありますから、寛ぐには申し分ない。でも、孫たちと過ごす喜び、期待の方がまさっていますね。」


「それともう一つの私の楽しみ。それは、日本の唱歌や童謡のルーツを探ることなんですよ。」  
例えば、「月の砂漠」。~つきのさばくをはるばると たびのらくだが いきました~ 誰でも一度は口ずさんだことがある、懐かしい歌。  
「この歌の舞台は千葉の御宿という海岸なのです。詞を書いた加藤まさをさんの故郷です。ポイントバケーション勝浦に泊まったときは、御宿に足を延ばして歌の風情を楽しみます。そんな楽しみ方もしているんですよ。」

  歌や詩への増詣の深さ、旺盛な探求心は、最後の夢、ステージで歌うことに関わっている。 
  「音楽に趣味があったということは、人生にとって実に意味深いことです。」と言い切る中谷様。
大学・職場で合唱団に参加。何と65歳から声楽家について歌唱力を高め、それ以降、大阪音大音楽院で声を磨いてこられた。  そして、2004年に念願のステージに立ち以後国内外の有名なホールに出演しておられる。素晴らしい音楽仲間とも出会い、キャリアを重ねていらっしゃる。

「いま、高齢者施設や病院などで歌うことがふえています。私たちの音楽を聴いて、感動してくださったり、笑顔を見せてくださったりするのがうれしいですね。私はこれだけの病気をしても、前向きに生きている。それが皆さんの励みになれば素晴らしいことです。」
 10年と言われた満期期限は、もう過ぎている。
それでも力強く生き方を語る中谷様は、充実した人生ゆえの自信にあふれていらっしゃる。

夕方...ポイントバケーション伊豆高原のロビーで始まったフラダンスショー。
ステージ前に並んだテーブルの一つに、中谷様ファミリーの笑顔が広がっていた。バイキング形式で思い思いに皿に盛ったディナーがテーブルに載っている。やがて華やかな衣装をまとったダンサー達が登場、涼しげな音楽にのってゆったりとした動きでフラダンスが披露される。
途中、ダンサーの求めに応じてステージに出て見様見まねで踊る中谷様の姿も見られた。  
「考え方次第で何でも楽しめる。何物にも価値があるということ。だから食べるのも、踊るのも一所懸命ですよ。」  
そうお話しくださる中谷様には、限られた時間を活かし、思う存分楽しむための意志と知恵が感じられる。たぶん、その知恵の証がポイントバケーションの活用なのだろう。