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【箱根特集】 箱根カード・プレイヤーズ

箱根カード・プレイヤーズ

9月29日、箱根の山中は篠突く雨で煙っていた。四囲の山並みもレースのカーテンを通して見るように頼りない影になっており、それが天下の険と呼ばれる箱根に似合った風情を醸し出していた。
そんな天候の中、ヴァークスイート箱根に、三々五々集まってくる"同好の士"があった。  ブリッジ大会...オーナーである山口寿子様(スティリゾート歴7年目、650ポイントホルダー)が発案・企画・運営し、ポイントバケーションが全面的に協力している定期的なイベントである。  

ゲーム大会の会場は305号室である。この部屋は全体で約135平方メートル。その広々としたリビングルームは、高い天井と窓からの雄大な眺望によって、開放感と厳粛な雰囲気を同時に感じさせてくれる。
欧米で紳士淑女のカードゲームとされるブリッジに相応しい部屋だと言えそうだ。
  真四角のテーブルが五卓、その上に掛けられたテーブルクロスの白さが公平なゲームの展開を予告しているようだった。  思い思いにラフな装いで訪れて来る。
"同好の士"の皆様は、満面の笑みとともに静かな闘志を隠しているように推察される。

いよいよゲーム開始の午後1時半。それまで和気あいあいとして和んでいた会場の空気が、にわかに引き締まってくる。
山口様の開会の合図とともに、各テーブルで一斉にカードが配られる。  ベテランの方もビギナーの方もおられるようだが、皆様一様に真剣な眼差しで手札を見つめている。
そしておもむろに、1人ずつ順に短い声を発する。オークションである。
これによってゲームの攻め手・守り手が決まるわけだ。(【コントラクト・ブリッジのルール】参照)  テーブルごとに卓上の攻防が始まる。
  ブリッジは2人でペアを組み、2対2で競うゲーム。味方同士が向き合って座る。もちろん数あるカードゲームの中でも、明細な推理と判断を要求される競技がブリッジである。
しかし、それに匹敵するほど、パートナーシップの良し悪しがものを言う。 プレイヤーは、自分の手の内と場に出てくるカードをしっかりと確かめつつ、常に正面に座っているパートナーと目で会話しているように見受けられた。

テーブルによって様相は違うものの、時間が経つに従って場の雰囲気は少しずつ白熱してくる。
しかし、それが重い空気感につながらないのは、この大会がポイントバケーションで自然発生的に生まれたオーナー様同士のサークルであるからかもしれない。
休憩時間などに交わされる気さくで何の構えもない交流に、それが現れている。

 この会の発案者にして主催者の山口様に話をうかがった。
  「4年前のことでした。ここでお友達になった方が重い病気になり、少しでも楽しみと励みにしていただこうとブリッジ大会を開いたんです。それがきっかけとなって、年2回、いつもこの部屋で行っています。」  

ブリッジファンのオーナー様はもちろん、それぞれが地元のコミュニティで作った友人をお連れして、開催するごとに新しい出会いがあるという。その中にはポイントバケーションが気に入られてオーナーになる方も多いとか。
  「会場として使わせていただいてること以外にも、告知とか準備とかで、ポイントバケーションにはいろいろと協力していただいています。若いスタッフが元気いいし、発想もユニークだし、準備段階も楽しいですよ。」


 
ポイントバケーションのオーナー様は、それぞれに様々な趣味をお持ちである。その趣味でオーナー様同士の結びつきが生まれ、新たな輪が広がっていく。
そんな嬉しい循環が、ポイントバケーションを舞台に育っていくわけだ。"同好の士"と出会い、ブリッジ大会のようなイベントを通して信頼が深まっていく。それも誰かのお仕着せではなくオーナー様自身の意志で展開していくところに意味がある。  
ゲームが終了すれば、優秀者を表彰し、ほとんどの参加者がヴァークスイート箱根に宿泊される。食事を一緒になさって、今日のゲームの推移を振り返るのだろう。"同好の士"ならではの会話に花が咲く。

「こうして同じ趣味を持った方たちと、とりとめのない会話ができる。面倒な管理もいらないのに、自分の別荘であるかのように心から寛げる。その上、スタッフの皆さんも気持ちいい。皆さんそう思ってるんじゃないですか。」

さて、このブリッジ大会には日本では数少ないプロの先生も参加されている。花山武志様がその人だ。
「私としては、こういう会が開かれるのは本当に嬉しいことです。和やかでそれでいて集中できるこの部屋もありがいですね。ブリッジはパートナーシップと推理力のゲーム。ですから、会場の雰囲気はとても重要なんです。」

  ブリッジ歴15年という水島佳世子様は、
「ブリッジは世界共通。言葉が通じなくてもカードランゲージでOKです。でも、最近やっと幼稚園生くらいになったかな、という感じですね。」

  30年近くブリッジを楽しんできた平野元様。
「米軍キャンプでやっていた時期もあります。何と言ってもパートナーと息が合ったときが一番楽しい。ブリッジは奥が深いんですよ。」  

その奥の深さのとば口におられる徳丸喜久子様。「だいぶ昔にちょっと齧ったのですが、今日がブリッジ再デビュー。迷惑をお掛けしちゃいけないと緊張しましたが、楽しかったですね。」  

ベテランもビギナーも、それぞれの立場で思い思いの楽しさを味わう。競技とは言え、リラックスした気持ちで仲間とカードと向き合えるのが、この大会の持ち味のようだ。
様々な趣味の集いがポイントバケーションを舞台に始まっていく。
また、それに相応しい環境でもある。今までにないポイントバケーションの利用価値が生まれる、そんな予感に満ちた今回の大会だった。

 【コントラクト・ブリッジのルール】

2人1組のペアで、味方をパートナー、対戦相手のペアをオポーネントと呼ぶ。  
プレイヤーはそれぞれ13枚のカード(ジョーカーは使わない)を持っている。各人が時計回りで1枚ずつカード出していき、一巡した段階で一番強いカード(A、K、Q、J...の順で強い)を出したプレイヤーが4枚のカードを勝ち取る。
この1組4枚をトリックという。そして、最終的に勝ち取ったトリック数が、ゲーム前の宣言を上回っているかどうかで勝敗が決められる。
 ゲームはまず、オークションから始まる。13枚の手札を見て、取れると思われるトリック数を競うわけだ。
「ハートで9枚」「スペードで10枚」などと宣言(コントラクト=契約という。コントラクト・ブリッジの名の由来)し、最も多く宣言したプレイヤーがディクレアラーと呼ばれパートナー(ダミーと呼ばれる)とともにその枚数の獲得を目指す。オポーネントのペアはディフェンスと呼ばれ、ディクレアラーを阻もうとする。
 パートナーと気持ちを合わせ、オポーネントの思惑を見極める、ブリッジはまさに、推理力とパートナーシップの勝負!